リーダーとは何か?

INNERSHIFT JOURNAL

―誰かの中に“そう見えている”存在というリーダーシップの本質―


リーダーシップは「持っているもの」ではなく、「見えているもの」

「すごいリーダーだと思う人はいますか?」
そう聞かれたとき、誰かの顔をふと思い出すことがあります。

けれどもし、「あなたはすごいリーダーですか?」と問われたら、どうでしょうか。
言葉に詰まり、自分でそう言い切るのはどこかためらわれる。

それは、リーダーシップというものが、自分で決めるものではなく、誰かの中に“そう見えている”現象だからなのかもしれません。


リーダーシップは、関係性のなかで立ち上がる

「リーダーとは何か?」という問いは、古くて新しい問いです。
現代のリーダーシップ研究においても、リーダーシップを一義的に定義することは困難だとされています。

たとえば、ジョセフ・ロスト(Joseph C. Rost)は、著書『Leadership for the Twenty-First Century』(1991)の中で、
リーダーシップを「関係性」であると捉え、「状況や関係者によって異なる」と述べました。
さらに、「リーダーシップの定義は単一ではなく、一義的に定義すること自体が不適切である」とも指摘しています。

つまり、リーダーシップとは「なるもの」ではなく、関係のなかに“見えてくる”ものなのです。

リーダーとフォロワーは一方的な関係ではなく、“関係のなかに認識される現象”として生起する。


「リーダーだったかもしれない」経験は、日常の中に

あなた自身が「自分はリーダーではない」と思っていたとしても、
誰かにとっては、“あのとき、いてくれた人”として、
心に残っているかもしれません。

それは意図して「リーダーになろう」とした瞬間ではなく、
ただ誰かと向き合い、誠実にふるまった日常の一場面だったかもしれません。


リーダーとは何か──問いを、あなた自身の関係に差し向けてみる

リーダーとは、自分でなるものではなく、誰かの中に“そう見えている”存在です。
だからこそ、リーダーシップはひとりでは成り立ちません。

すべての始まりは、あなたと誰かのあいだに生まれる関係性の中にあるのです。


関連リンク

📘 書籍『人を幸せにする経営』
https://www.ideass.jp/column/

🎥 INNERSHIFT動画シリーズ|第一作「リーダーとは誰か?」
https://www.youtube.com/watch?v=2JKLtbHUb1o

📝 note版:問いの入り口としての記事
https://note.com/yutamogami_phd/n/n630bbb20ec52


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