仲間の挑戦を支えるか、それとも慎重に見守るか
Emotional Compassでは、本特性は自己管理(SM)因子に属します。
周囲のメンバーが新しい挑戦を始めようとするとき、「本当に大丈夫だろうか」と一歩引いて見守る場面は少なくありません。挑戦に共感して一緒に飛び込むよりも、リスクや不確実性を避け、距離を取ろうとする気持ちが働くこともあります。
「挑戦共感性」とは、新たな挑戦に向かう他者の意欲や苦労に共感し、その挑戦を支えたり共に挑もうとする力を指します。Compassでは「自己管理(SM)」の因子に位置づけられ、リーダーシップを形づくる重要な特性のひとつです。
挑戦共感性が弱めに表れると、他者の挑戦に慎重になり距離を置きやすくなります。しかしその裏返しとして、冷静な評価や安定的な役割遂行に強みがあります。リーダーにとっては「共感して巻き込む力」だけでなく、「慎重に見極めて守る力」も組織にとって欠かせないのです。
学びの視点
心理学者デシとライアンの「自己決定理論(Self-Determination Theory)」では、人の挑戦意欲は「自律性・有能感・関係性」が満たされることで高まるとされています。他者の挑戦に共感しサポートすることは、関係性を強化し挑戦意欲を支える重要な要素です。特に、挑戦を理解し応援してくれる存在がいることで、人は失敗を恐れずに次の一歩を踏み出しやすくなるのです。
実務の観点では、Forbesの記事「共感的リーダーシップの重要性:思いやりと理解をもって導く方法(The Importance of Empathy In Leadership: How To Lead With Compassion And Understanding In 2023)」では、著者カラ・デニソン(Kara Dennison, 2023)が、リーダーにとって共感的な姿勢が不可欠であると指摘しています。彼女は、メンバーの挑戦や苦労を理解し支えるリーダーシップが信頼と協働を生み、最終的に組織の成長と変革を促すと述べています。さらに、共感は単なる感情的な同調ではなく、相手の立場に立って必要な支援を提供する実践的な力であることを強調しています(Forbes記事)。
著者の最上雄太(2022)は『シェアド・リーダーシップ入門』で、挑戦の主体をリーダー一人に閉じず、共に取り組む「支援と共感」がチームの力を引き出すと述べています。また『人を幸せにする経営』(2025)では、挑戦に共感できるリーダーこそが心理的安全性をつくり、組織を変革へと導くと指摘しています。
明日からできる実践法
- 挑戦する人を後方支援する
 前に立たなくても、環境づくりや安心感の提供で挑戦を支えられる。
- 小さなステップで関わる
 最初から全力で飛び込むのではなく、部分的に協力する。
- 挑戦の意図を確認する
 相手がなぜ挑戦するのかを理解することで、共感の糸口を見つける。
- 冷静な視点を伝える
 リスクや課題を指摘しつつも、挑戦の価値を否定せず対話を重ねる。
まとめ
挑戦共感性は、単に「一緒に挑む力」だけではありません。弱めに表れるときでも、冷静さや慎重さを強みとして活かしながら、他者の挑戦に関わることができます。大切なのは、自分なりの関わり方を見出し、挑戦を支える姿勢を持ち続けることです。
👉 あなたにとって、周囲の挑戦にどう関わるのが自然だと感じますか?
📘 さらに詳しく学ぶ
- 『人を幸せにする経営』(最上雄太, 2025, 国際文献社) → Amazonリンク
- 『シェアド・リーダーシップ入門』(最上雄太, 2022, 国際文献社) → Amazonリンク
- Emotional Compass公式サイト → innershift.jp/compass
✨ INNERSHIFTからのお知らせ
📘 公式サイト:innershift.jp
✍️ JOURNAL:innershift.jp/journal
🧭 Emotional Compass:innershift.jp/compass
🎥 YouTubeチャンネル:INNERSHIFT Channel
💼 LinkedIn:Yuta Mogami
🐦 X(旧Twitter):INNERSHIFT_JP
📘 Facebookページ:INNERSHIFT
 
           
           
           
           
           
             
            