心理的安全性──安心して本音を交わせる関係は、どう育まれるのか

心理的安全性は、「安心して話せるかどうか」だけではありません。中心にあるのは、不安や未解決の感情を、関係の中に置けるかどうかという視点です。誰かが違和感を口にしたとき、それを問題ではなく「一緒に理解していく材料」と受け止められるチームは、自然と学習し続けます。

意見の衝突があっても、それが関係を壊すのではなく、新しい選択肢を生み出す起点になります。心理的安全性とは、感情が誤解されず、尊重されるための土台なのです。

心理的安全性が低いと、メンバーは率直に意見を出しづらくなります。判断は遅れ、表情を読み合い、問題が共有されず、個人の中に抱え込まれてしまいます。誰も反対を言えないため、誤った方向に進むこともあります。

これらは能力不足ではなく、「感情をどこに置いて良いか分からない」状態から生じるものです。心理的安全性とは、立派な言動を求めるためのものではなく、感情を扱うための最初の共同作業だと言えます。

心理的安全性は、EQリーダーシップ®の中でも SO（社会的認識）と RM（関係管理）の2因子に深く関わります。

【SO】自分がどんな感情から動いているかを理解する。
【RM】その感情がどんな関係を生んでいるのかを丁寧に見つめる。

Emotional Compassでは、この2つの視点から心理的安全性を扱います。安心・信頼・尊重という3つの空気を育てるための、具体的な手がかりを得られるように設計しています。