Emotional Compassを使った研修をしていると、ときどきこんな質問を受けます。
「私と同じリーダーシップタイプの人って、多いんですか?」
自分の結果を知れば、ほかの人がどんなタイプなのか気になるのは自然なことです。
そこで今回は、これまでEmotional Compassで得られた有効な診断結果をあらためて集計し、10のリーダーシップタイプがどのような割合で現れているのかを確認してみました。
結果を見ると、なかなか興味深いことがわかります。
10のリーダーシップタイプ、すべてが現れています
今回の集計では、Emotional Compassの10のリーダーシップタイプすべてが確認されました。
割合は次のようになっています。
| リーダーシップタイプ | 今回の集計における割合 |
|---|---|
| 絆のリーダー | 15.2% |
| 倫理のリーダー | 15.2% |
| ビジョナリー・リーダー | 15.2% |
| レジリエンス・リーダー | 14.3% |
| アダプティブ・リーダー | 10.5% |
| 変革のリーダー | 8.6% |
| カリスマ・リーダー | 6.7% |
| 誠実のリーダー | 5.7% |
| サーバント・リーダー | 4.8% |
| 共感のリーダー | 3.8% |
最も割合が高かった「絆のリーダー」「倫理のリーダー」「ビジョナリー・リーダー」でも、それぞれ約15%です。
一方で、すべてのタイプが同じ割合で現れているわけでもありません。
今回の結果だけから、この違いに特別な意味があると結論づけることはできません。ただ、少なくとも現在までのEmotional Compassの結果では、特定の一つのタイプだけに集中するのではなく、さまざまなリーダーシップタイプが現れていることがわかります。
多いタイプ、少ないタイプに「優劣」はありません
ここで、一つ大切なことがあります。
この数字は、リーダーシップタイプのランキングではありません。
割合が高いタイプだから優れているわけでも、割合が低いタイプだから特別なわけでもありません。
Emotional Compassは、能力や性格の優劣を測り、「どのタイプのリーダーが一番よいか」を決めるためのものではありません。
では、そもそもEmotional Compassにおける「リーダーシップタイプ」とは、何なのでしょうか。
Emotional Compassの「タイプ」は何を表している?
Emotional Compassでは、まず回答から24の特性を算出します。
そして、その24特性を基礎に、複数の特性の組み合わせから10のリーダーシップタイプそれぞれの特徴との関係を捉え、その中で現在の自分に比較的強く現れているタイプを結果として示しています。
つまり、一つの特性だけを見て、
「この特性が高いから、あなたはこのタイプ」
と決めているわけではありません。
そして、もっと大切なのは、タイプは「あなたはこういう人です」と人間を10種類に分類するためのラベルではないということです。
自分のリーダーシップについて考えていくための、一つの入口です。
同じタイプの人と話すと「似ている」。でも……
私がEmotional Compassを使った研修をしていると、興味深い場面によく出会います。
同じリーダーシップタイプになった人同士で話をしてもらうと、
「やっぱり似ているところがありますね」
「その感覚、私もわかります」
といった会話になることがよくあります。
ところが、その後、それぞれの24特性を詳しく読み込んでいくと、今度は違う声が聞こえてきます。
「同じタイプなのに、ここはかなり違いますね」
「タイプは同じだけど、性格はけっこう違いますね」
という声です。
これは矛盾しているようで、実はそうではありません。
同じタイプでも、24特性は一人ひとり違う
同じリーダーシップタイプになった人でも、24特性の組み合わせまで同じになるわけではありません。
ある部分では似た特徴が現れていても、別の特性を見ると大きく違っていることがあります。
だから、
「同じタイプ=同じ人」ではありません。
反対に、
「私は○○のリーダーだから、こういう人間なんだ」
とタイプ名だけで自分自身を決めてしまうと、Emotional Compassから得られる情報のかなりの部分を見落としてしまいます。
研修で24特性まで詳しく見ていくと、「同じタイプなのに違う」という発見が生まれるのは、そのためです。
そして私は、この違いを見つけることもEmotional Compassのおもしろさの一つだと思っています。
タイプを見たら、もう一度「自分の24特性」へ
自分のリーダーシップタイプを知ったら、そこで終わりにせず、ぜひ自分の24特性をもう一度見てみてください。
たとえば、こんな問いを自分に向けてみることができます。
- なぜ私は、このリーダーシップタイプになったのだろう?
- タイプの説明の中で、「自分らしい」と感じるところはどこだろう?
- 逆に、「自分とは少し違う」と感じるところはあるだろうか?
- 24特性を見ると、その「自分らしさ」や「違和感」をどう説明できるだろう?
- これからのリーダーシップで、活かしていきたい特性は何だろう?
タイプは、自分についての「答え」を与えてくれるものではありません。
むしろ、
「なぜ私は、このタイプなのだろう?」
という問いから、自分自身をもう少し深く見ていくための入口になります。
10のリーダーシップタイプについて詳しく知りたい方は、Emotional Compass リーダーシップタイプガイドもあわせてご覧ください。
「何タイプか」から、その人らしいリーダーシップへ
今回の集計では、10のリーダーシップタイプすべてが確認されました。
その結果を見るだけでも、リーダーシップのあり方が一つではないことを感じられるかもしれません。
けれど、本当に大切なのは、
「私は何タイプだったか」だけで終わらないこと。
同じタイプの人と話して、似ているところを見つける。
24特性まで見て、違うところにも気づく。
そして、その両方から、
「では、自分らしいリーダーシップとは何だろう?」
と考えてみる。
Emotional Compassの結果を、そんなふうに自分自身を見つめ直す材料として使ってもらえたらと思います。
