AIが「答え」を出すほど、リーダーは迷うようになった|INNERSHIFT
判断が速くなるほど、残るもの AIの導入によって、判断は速くなりました。データは即座に整理され、最適解は数秒で提示されます。 会議は短くなり、「決められない」という状態は減ったようにも見えます。 それでも、決定のあとに言 […]
AIは迷わない。でも、人は迷う。
意思決定の現場に、AIが入ってきました。最適解の提示、予測、分類、推薦──合理性は、強化されていきます。 けれど現場では、合理性が増すほど「迷い」が消えるとは限りません。
人は、責任を引き受けます。関係を扱います。納得をつくり、信頼を守ります。 このWayテーマでは、「AIと人間が同時にいる意思決定の場」で、リーダーシップが何を担うのかを見つめていきます。
正しさではなく、「扱い方」が問われる。
AIは、判断材料を増やします。判断速度を上げます。ミスを減らします。 だからこそ、リーダーの仕事は「答えを出すこと」から、「答えをどう扱うか」へ移っていきます。
たとえば、同じ“最適解”でも、受け止め方は人によって違います。 その結果として、関係が動き、信頼が積み重なったり、崩れたりします。 意思決定の質は、合理性だけで決まらない──その現実が、より露わになります。
AIが提示するのは、ひとつの合理的な線です。 リーダーが担うのは、その線を「現場の言葉に変換し、納得と責任の形にする」こと。 迷いの中で決める人間の役割は、むしろここから濃くなっていきます。
「正しい」ことと、「納得できる」ことは別だ。
AIが判断を支える場面が増えるほど、組織は“合理性の言葉”で話しやすくなります。 しかし同時に、「怖さ」「不安」「悔しさ」「置いていかれる感覚」といった感情は、語られにくくなります。
そして、倫理もまた同じです。何がフェアか。誰にどんな影響が出るか。 正しさを語れるほど、問い直しが難しくなる局面があります。 だからこそ、AIを導入するだけではなく、「問いを残す力」が必要になります。
AI時代のリーダーシップは、合理性を否定しません。 ただ、合理性が届かない場所──感情と倫理と関係性──を扱い続けます。
「AIを使えるか」ではなく、「人として決め続けられるか」。
AIが提示する情報を活かすには、受け取る側の特性も問われます。 判断の軸を持ち、説明し、関係を保ちながら前に進む力が必要です。
たとえば、インテグリティ、意図共有力、差異への耐性、対話期待性。 合理性だけでは前に進まない局面で、これらの特性が「決め方」と「伝え方」を支えます。
Emotional Compass は、「正しい結論」ではなく、「判断のプロセス」を見つめ直すための道具です。 AIと共に進む時代に、自分の判断と関係をどう保つか。そのヒントとして活用してもらえると嬉しいです。
このテーマを取り上げた「The INNERSHIFT Way」の記事をピックアップしました。
自分のリーダーシップタイプを知る
感情から行動を見つめ直し、関係を育てるためのリーダーシップ診断ツールです。10タイプのリーダーシップと24の特性から、自分らしいリーダーシップのかたちを探っていきます。