リーダーは何を考えるべきか──AI時代に残る数学的思考の領域|INNERSHIFT

執筆:最上 雄太

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AIは「考える仕事」を代替するのか

AIの進化によって、
多くの業務が自動化されつつあります。

データ分析、予測、最適化。
これまで人間が担ってきた「考える仕事」の一部も、
AIが代替できるようになってきました。

DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された
ハルシャ・V・ミスラによる論考
「AI時代だからこそ、リーダーに数学的素養が必要な理由」では、

こうした状況の中でも、
リーダーにとって数学的思考は依然として重要であると指摘されています。


それでも人は何を考えるのか

ただ、ここで一つの問いが生まれます。

計算や分析をAIに任せられるのであれば、
人間は何を考えるべきなのでしょうか。

正確な答えを出すことは、
すでにAIの得意領域になりつつあります。

それでもなお、
「数学的思考が必要だ」と言われるのはなぜなのか。


数学は「計算」ではなく「言語」である

この論考では、数学を

「計算の技術」ではなく、
「ビジネスの核となる言語」

として捉えています。

ここで分けて考える必要があります。

前者は、AIが得意とする領域です。
問いが明確であれば、正確な答えを返すことができる。

一方で後者は、

状況が不完全で、前提も揺らぎ、
何を問うべきかすら定まっていない状態です。

そして実際のビジネスの多くは、
この後者に属しています。


「問い」を扱う領域は残る

AIは、正確に表現された問いに対して
高精度な答えを返すことに長けています。

しかし、

は、人間の側に残されています。

ここで求められるのが、

厳密な数式処理ではなく、
現実を扱うための「実用的な数学」です。


数学的思考とは何か

ここで改めて考えてみます。

数学的思考とは、何を指しているのでしょうか。

それは、

正確な答えを導く力ではなく、
現実をどう切り取り、どう構造化するかという力

ではないでしょうか。

アダプティブ・リーダーは、
状況に応じて考え方や行動を変化させながら、不確実な環境に対応していく存在です。

そのとき必要になるのは、

既にある正解を適用することではなく、
その場の現実に対して、どのように意味づけを与えるかです。

数学的思考とは、

その意味づけを支える“枠組み”のようなものなのかもしれません。


現実を扱うための思考

この構造は、
抽象化思考力とも重なります。

抽象化思考力とは、
複雑な現象から本質を抜き出し、構造として捉える力です。

曖昧な現実に向き合うとき、
私たちはそのままでは扱いきれません。

だからこそ、

何を切り取り、
どう整理し、
どのレベルで捉えるか

という思考が必要になります。


リーダーは何を考えるべきか

リーダーは何を考えるべきなのでしょうか。

それは、
正しい答えを見つけることなのか。

それとも、
何を問うべきかを見極めることなのか。

AIが答えを出せる時代において、
残されているのは、

問いそのものを扱う領域なのかもしれません。

そしてそのとき、
数学的思考とは、

計算の技術ではなく、
現実と向き合うための思考のかたちとして立ち現れてきます。


参考文献

DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
「AI時代だからこそ、リーダーに数学的素養が必要な理由」
著者:ハルシャ・V・ミスラ
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/13339


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