「突破」と聞くと、
何かを劇的に変える瞬間を思い浮かべる人が多いかもしれません。
停滞を一気に打ち破る発想。
周囲を驚かせる大胆な決断。
これまでの流れを一変させるような一手。
けれども、現場にいると、
そのような“瞬間”だけが物語のすべてではないことに気づきます。
むしろ、長い迷いの時間や、
答えの出ない問いを抱え続ける日々のほうが、
はるかに長いのではないでしょうか。
突破は、ある日突然やってくるものなのでしょうか。
それとも、すでにどこかで始まっているものなのでしょうか。
「超える」というイメージの裏側
ブレイクスルーという言葉には、
「既存の枠を壊す」という響きがあります。
古い常識を打ち砕き、
既存の仕組みを解体し、
新しい世界へと飛び出していく。
その姿は、どこか爽快で、
力強いものとして語られがちです。
しかし実際には、
枠を“壊す”前に、
その枠の中で何度も立ち止まっていることのほうが多いのではないでしょうか。
なぜ、私たちはこのやり方を続けているのか。
この前提は、いつから当たり前になったのか。
本当に守るべきものは、どこにあるのか。
問い直しの時間は、
外から見ると何も起きていないように映ります。
けれど、その内側では、
既存の前提が少しずつ揺らぎ始めています。
壊すのではなく、ずらす
Emotional Compass の
ブレイクスルー(trait_23) は、
今ある枠組みややり方を超えて、新しい道を切り開こうとする力です。
「こうあるべき」にとらわれず、自分なりのやり方を見出し、行動に移す突破力です。
と定義されています。
ここで語られているのは、
単に“破壊する力”ではありません。
「こうあるべき」という前提に、
一度、疑問符を置くこと。
それは、声高に反対することでも、
すぐに別の正解を提示することでもありません。
ほんの少し、視点をずらしてみる。
問いの立て方を変えてみる。
当たり前に流れていた会議の進み方を、
一度だけ止めてみる。
枠を壊す人は目立ちます。
けれど、枠をずらす人は、
最初は気づかれないことも多いのかもしれません。
ずれることの孤独
前提を疑うとき、
人は少しだけ周囲とずれます。
「それ、本当に必要ですか?」
「別のやり方もあるのではないですか?」
その問いは、
場の流れを止めることがあります。
スピードが重視される場面では、
ためらいと受け取られることもあるでしょう。
周囲が同じ方向を向いているとき、
一人だけ立ち止まることは、簡単ではありません。
それでも、
違和感をなかったことにせず、
問いを抱え続ける。
その時間は、
外からは見えにくいものです。
ブレイクスルーが「結果」として語られるとき、
その前にあった孤独や葛藤は、
あまり語られません。
けれども、
突破の種は、
多くの場合、その見えにくい時間の中にあります。
変える前に、引き受けているもの
新しい道を切り開くということは、
単に新案を出すことではありません。
これまでの前提を疑うということは、
そこに積み重なってきた努力や歴史とも向き合うということです。
「これまで」を否定するのではなく、
それを踏まえたうえで、
それでも別の可能性を探る。
その姿勢は、
強さというよりも、
粘り強さに近いのかもしれません。
ブレイクスルーは、
大胆さだけで成り立つものではない。
前提を疑いながらも、
関係を手放さず、
場から離れずに問い続けること。
そのあり方の延長線上に、
ある日「突破」と呼ばれる瞬間が生まれるのではないでしょうか。
結果としての突破
振り返ってみると、
「突破だった」と言われる出来事も、
当事者にとっては、
ただ問いを抱え続けた時間の延長だった、
ということがあります。
枠を壊したのではなく、
少しずらしただけ。
それでも、
その小さなずれが、
いつの間にか新しい道になっている。
いま、目の前にある違和感は、
壊すべき壁でしょうか。
それとも、
少しだけずらしてみるべき前提でしょうか。
突破は、
劇的な瞬間の名前ではなく、
問いを手放さない姿勢の名前なのかもしれません。
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